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歪-HIZUMI-様|「S.O.S」ミュージックビデオ 制作事例

バンド 歪-HIZUMI- 様の楽曲「S.O.S」のミュージックビデオです。

スタジオで演奏するバンドパートと、

日々DVを受けて追い詰められている女性のドラマパートの二部構成。


楽曲の歌詞とリンクする彼女の心情を、
「この曲に救われたい」と願いながらも、

歪み切った精神状態の中で最悪の選択へと踏み出してしまう物語として描いています。

楽曲のエネルギーと、人間の心の危うさ、その両方を真正面から映した作品です。

クライアント:歪-HIZUMI- 様
業種:バンド/アーティスト
制作タイプ:ミュージックビデオ(MV)
動画尺:楽曲フル尺
公開媒体:YouTube/ライブ会場での上映 など
撮影場所:スタジオ(ドラマパート/演奏パート)
構成:ドラマパート+バンド演奏パート(二部構成)
担当範囲:企画構成/脚本・演出//キャスティング/撮影/ライティング
               /編集/カラーグレーディング

ご依頼のきっかけ・課題

「S.O.S」というタイトルの通り、この楽曲には

 


   •    生きづらさ


   •    孤独


   •    世界への問いかけ

 


が込められており歌詞には、


   •    イヤフォンを押し込んで一人で街を歩く


   •    「涙じゃ世界は変わらない」と繰り返し問いかける


といった、自分の居場所を見失いかけている主人公の心情が描かれています。

このMVでは、その歌詞世界とリンクする形で、
日々DVを受けて追い詰められている女性が、

この楽曲をきっかけに「現状から抜け出す決意」をするというドラマを設定。


ただしその決意が健全な方向ではなく、

歪み切った精神状態のまま「夫を刺殺する」という最悪の結末へ向かってしまう、
という非常に重いテーマをあえて選びました。

楽曲が持つ「それでも歩き続けてしまう足」の力と、
間違った方向に向かってしまう人間の危うさを、映像で可視化することが狙いです。

制作の方針とポイント

1. スタジオ内に作られた“閉じた世界”で描くDVドラマ

ドラマパートは全てスタジオ内にセットを組み、

 


   •    生活感のある部屋


   •    暗く沈んだ照明

 


で、逃げ場のない閉じた空間を表現しています。

女性は日常的に暴力や支配を受け、次第に表情を失っていく。
そこに「S.O.S」が届きイヤフォンを耳に押し込み、

歌詞と共鳴しながら少しずつ「このままではいけない」と感情が動き始めます。

しかし、心が完全に回復する前に決意だけが先走り、
歪んだままの状態で

「ここから抜け出すには、彼を消すしかない」

と思い込んでしまう。

ラストでは、夫を何度も刺してしまうショッキングなシーンに至り、
観る人に「これは救いなのか、それとも別の地獄なのか」を

突き付ける構成になっています。

※暴力・殺害表現を含むため、視聴者へ配慮しつつも、

作品として逃げずに描き切ることを意識しました。

2. 歌詞と心情をシンクロさせるカット構成

歌詞に出てくる

 


   •    ひとりで街を行くイメージ


   •    「涙じゃ世界は変わらない」という諦めのフレーズ


   •    「この足は進み続けるんだ」という、

           本人にも説明できない衝動

 


といったモチーフを、ドラマのカットの中に対応させています。

例えば、


   •    イヤフォンを押し込む手元のアップ


   •    部屋の中をぐるぐると歩き回る姿


   •    ベランダや窓の外をぼんやり見つめる横顔

 


などを、歌詞の展開に合わせて差し込むことで、
楽曲と女性の内面が一体になっていく過程を視覚的に見せています。

そのうえで、最後の「どうしてこの足は進み続けるんだ」という問いかけが、
“現状から抜け出そうとする足”にも、

“取り返しのつかない行動に向かう足”にも重なるよう、
カットと流れを組み立てました。

3. 演奏パートとのクロスカットで「歌の力」と「現実の重さ」を並置

バンドメンバーによる演奏シーンも、同じくスタジオで撮影していますが、
ドラマパートとはライティングや画作りを変えることで、

 


   •    楽曲そのものが持つ「まっすぐな叫び」


   •    それを受け取る側の「歪み/苦しみ」

 


を対比させておりサビや盛り上がりでは、


   •    ボーカルのシャウト


   •    ドラムの連打


   •    ギター・ベースの動き

 


を強く見せつつ、
その間にドラマパートのカットをクロスカットで挟み込むことで、
音楽のエネルギーが彼女の心を激しく揺らし、

しかし正しい方向へ導ききれないというジレンマを表現しています。

「歌えば世界が変わる」と簡単には言わない。
それでも、歌わずにはいられない――
そんなバンド側の覚悟も、演奏シーンの中に刻み込むことを意識しました。

公開後の反応・効果

非常に重いテーマとショッキングな結末を持つMVであるため、
観る人を選ぶ作品ではありますが、

 


   •    「ここまで真正面から描いているのが逆に刺さった」


   •    「歌詞の苦しさが映像でさらに増幅された」


   •    「簡単に『前向きに』と言わないところがリアル」

 


といった反応があるとご感想をいただいております。

ライブ会場やオンライン上でも、
「このMVをきっかけに『S.O.S』という曲にハマった」という方が多いようで、
バンドの世界観を象徴する一本として、

楽曲の存在感を強める役割を果たしています。

制作フロー

    1.    お問い合わせ・ヒアリング


         楽曲の背景や歌詞に込めた意図、「綺麗に救われる話にはしたくない」

           というご希望を伺いました。


    2.    企画・脚本案の作成


        DVを受けている女性を主人公にし、
      「曲をきっかけに現状から脱却しようとするが、最悪の方向に持って行ってしまう」

          というドラマ案を構築しました。


    3.    絵コンテ・ショットリスト作成


         歌詞のどの部分に、どの感情・どのシーンを対応させるかを整理し、
         ドラマパートと演奏パートのクロスカット構成を設計しました。


    4.    キャスティング・美術・ライティングプラン


          主人公女性役・夫役のキャスティング、部屋セットの美術、
        「逃げ場のない部屋」を表現するライティングプランなどを詰めました。


    5.    撮影当日(ドラマパート)


         感情の段階がきちんと伝わるよう、カットごとに感情の位置を整理しながら、
         日常シーン〜崩壊〜殺害に至る流れを撮影しました。


    6.    撮影当日(演奏パート)


         楽曲のエネルギーをストレートに出せるよう、

           ライティングとカメラワークを組み立て、
         何テイクか収録した中からベストなパフォーマンスを選定しました。


    7.    編集・カラーグレーディング


        ドラマと演奏のバランスを取りつつ、

          歌詞とシーンが過度に説明的になりすぎないように調整。
        カラーは重く沈みすぎない範囲でコントラストを出し、

          作品全体のトーンを統一しました。


   8.    最終調整・納品


       メンバーの皆様と一緒に全体を確認し、

         細かなカットの入れ替えや尺調整を行ったうえで、

         YouTube用マスターとして納品しました。

担当範囲

    •    コンセプト設計・企画立案


    •    構成案・脚本・台本の作成

    •    絵コンテ・ショットリスト作成

    •    キャスティング


    •    ロケーション・撮影内容のプランニング


    •    撮影(シネマカメラ・シネマレンズ使用)

    •    ライティング


    •    カラーグレーディング(DaVinci Resolve)


    •    編集(Final Cut Pro)


    •    必要に応じたテロップ・簡易アニメーション


    •    YouTubeアップロード時の設定サポート

        (サムネイル・タイトル・概要欄のご相談 など)

この映像を制作したビデオグラファーについて

この事例に近い料金の目安

こちらのようなドラマパート+演奏パートの二部構成MV(脚本・キャスト・美術込み)は、
内容・撮影日数・キャスト人数によって大きく変動しますが、
おおよそ
**シネマティックMVプラン(30〜50万円程度)**
が目安となります。
 
扱いたいテーマの重さや表現のラインも含めて、事前に丁寧に相談しながら進めていきます。

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